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2025.05.28

薬剤師の知識

薬剤師の就職先の選択肢は?仕事内容や就職状況、選び方を解説!

目次

こんにちは!なの花薬局の小山(おやま)です。


早速ですが皆さん、就職活動は順調でしょうか?
3月から解禁された就職活動を進める中で、色々な悩みを抱えられている方も多いのではないかなと思います。

来年度から就職活動を開始する方も、「合同説明会やインターンシップには参加したけど、結局どの仕事が自分に向いているかわからない。」という方もいるかもしれません。
就職先を選ぶにしても、薬剤師の就職は病院や薬局、ドラッグストアなど仕事内容の違いがわかりづらいため、どう選んで良いか悩む方も多いのではないでしょうか?

今回は、そんなお悩みを抱える皆さんに向けて、薬剤師の就職先や仕事内容をまとめてお伝えします。
薬剤師の就職状況や、後悔しないための就職先の選び方などについても解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
薬剤師としてのキャリアの第一歩となる就職活動。
迷っている点はスッキリ解決させて、じっくりと進路を選びましょう!

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薬剤師の就職とは?就職先や仕事内容にはどんなものがある?

「薬剤師の就職先」と聞いて、皆さんはどんなイメージを持っていますでしょうか?
病院や調剤薬局の調剤室で働いている姿を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実はそれ以外にも多くの活躍できる場所があります!

まずは、就職先や仕事内容、それぞれの職場の特徴を紹介していきたいと思います。

①調剤薬局

調剤薬局は薬剤師の就職先として最も多い職場です。


給与の高さは薬剤師のなかでは平均的な水準ですが、病院に比べると残業や休日出勤が少なく長く働ける環境があります。
調剤、服薬指導、薬歴管理、疑義照会、医薬品の管理・販売といった薬剤師の仕事を一通り経験できるので、将来、転職しても薬剤師としての技術や経験を生かすことができます。
在宅医療などを通して患者さまに長く寄り添っていくので、やりがいを感じる機会も多くあります。

大手薬局と中小薬局の違いについては、以下を参考にしてみてくださいね。
大手薬局と中小薬局の違いは?それぞれのメリット・デメリットをご紹介

②ドラッグストア

ドラッグストアは就職先としての採用数が多く待遇も安定しています。
給与が薬剤師のなかでも高い傾向にあるのが魅力です。
ただし、ドラッグストアによっては、人手不足で勤務時間が長く、休日出勤が多い職場もあります。


また、一般用医薬品の取り扱いが多くなるため、薬剤師としての専門性が発揮できないケースも多くなり、薬剤師として必要な技術や経験が身につきにくいといったデメリットがあります。
調剤室が併設された店舗も近年増えてきており、調剤業務専任として働けるドラッグストアもあります。

③病院

病院は医療に貢献している実感を得られやすい職場ですが、残業や夜間勤務があるので、仕事内容は薬局に比べるとハードです。
収入の高さや待遇よりも、医療に貢献したい方や、やりがいを求めている方、症例に触れ専門性を高めたい方に向いています。

都道府県が運営している病院に就職すれば、公務員扱いになるため給与も高くなりますが、募集枠が少なく採用されるのも難しいです。

薬局薬剤師と病院薬剤師の違いについては以下をご覧ください。
薬局薬剤師と病院薬剤師の違いを解説!向いている人の特徴も知ろう

④製薬企業

製薬企業は給与が高く、研究開発部門は最も人気が高い就職先の一つですが、求人数が少ないので薬剤師の資格を持っているだけでは就職するのは難しいでしょう。
製薬企業では海外の企業と専門的なやり取りを行う場合が多いので、英語力が高ければ就職に有利です。

製薬企業でもMR(医薬情報担当者)であれば比較的就職は容易ですが、総合職の採用も行なっているので一定以上のコミュニケーション能力も必要となります。
MRは医師や薬剤師と強いつながりができ、信頼を得られるとやりがいを感じることができます。
医薬品情報の伝達をして、適切な医薬品の普及を進める役割を持ち、医療に幅広く貢献できるという点も魅力です。

ただし、薬剤の取り扱いよりも営業が主な仕事になり、臨床の現場や調剤業務に関わることはほとんどありません。
また、全国への異動や転勤も多い可能性があります。

⑤公務員

都道府県の病院で働く以外にも、公務員として働くことができます。
代表的なものでは、国家公務員薬剤師、地方公務員薬剤師、麻薬取締官が挙げられます。

安定性や社会的な信用も高く、手当・待遇等が手厚いのが魅力です。

具体的には以下のような業務があります。

  • 国家公務員:厚生労働省の薬系技官として、医薬品の審査・承認、薬価の算定、医薬品の安全性監視、研究開発など、薬事行政に関わる業務
  • 地方公務員:各都道府県や市区町村の公務員として、公立病院や保健所などに勤務し、調剤業務や薬事衛生・食品衛生・環境衛生活動など、地域住民の健康に関わる業務
  • 麻薬取締官:厚生労働省の地方厚生局麻薬取締部に所属し、麻薬や薬物犯罪の取り締まりや、医療機関への立ち入り検査など、薬物乱用防止に関わる業務

しかし、臨床に触れられない場合が多いことや、募集枠が少なく就職が難しいといった面もあります。

⑥大学

薬学の研究をしたい方なら、大学への就職という道もあります。
狭き門ではありますが、在籍していた大学に残る、あるいは他の大学や研究機関で働く道が開かれています。
大学時代の研究をそのまま続けることや、学生を指導する業務に携わることもできます。

ただし、職場が閉鎖的になりやすく、視野が広がりにくくなる可能性もあります。

同じ薬剤師として働くとしても、それぞれ働き方も違えば、メリット、デメリットがありますので、就職先を選ぶ際はよく検討することが必要になります。

薬剤師は就職難との声も聞かれますが、気になる方は以下も参考にしてみてくださいね。
薬剤師は就職難?人手不足?求められる薬剤師になるための対策も

また、薬剤師の勤務時間や休日については以下もご覧ください。
薬剤師の勤務時間は職場で異なる?勤務体系や休日についても確認!

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薬剤師の就職状況や傾向を知ろう!

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続いて、ここからは就職先を選ぶ際に参考となる情報をいくつかご紹介していきます。

①主な就職先別の薬剤師数

まずは先ほどご紹介した就職先の薬剤師数内訳や割合を見ていきたいと思います。

就職先

人数

割合

薬局(調剤薬局・ドラッグストア)

約19.0万人

58.9%

医療施設

約6.2万人

19.3%

医薬品関係企業(製薬企業)

約3.7万人

11.5%

衛生行政機関

約6,927人

2.1%

大学

約4,902人

1.5%

その他

約2.0万人

6.3%

※出典:令和4年(2022年)医師・歯科医師・薬剤師調査の概況|厚生労働省

大半が調剤薬局・ドラッグストアに就職していますね。
その理由は多くあると思いますが、一つには薬剤師は女性が多いということも関係しているかもしれません。

②薬剤師の男女比

令和4年(2022年)12月31日時点における全国の届出「薬剤師数」は約32万人。
男女比は、男性が38.4%、女性が61.6%となっています。
※出典:令和4年(2022年)医師・歯科医師・薬剤師調査の概況|厚生労働省

薬剤師の約6割が女性となるため、結婚・出産後も長く活躍できる環境を整えている就職先が人気になる傾向があります。

③薬剤師の年収

次に年収の面も見てみましょう。

男女別の薬剤師の平均年収は以下の通りです。

薬剤師年収

全体平均

599万円

男性平均

651万円

女性平均

556万円

※出典:令和6年賃金構造基本統計調査の「職種別第1表」

男女別の平均年収を比較してみると、男性651万円に比べて女性が556万円となっており、約100万円の差があります。
しかし、国税庁の調査によると、令和5年度(2023年度)における女性の平均年収は316万円、男性の平均年収は569万円であることから、薬剤師は男女ともに年収が高めであることがわかります。

また、参考までに年齢別の年収も合わせて見てみると、年収が格段に高くなるということはないものの、年齢に比例して安定して向上しているのがわかると思います。

男性

女性

20代

463万円

439万円

30代

639万円

542万円

40代

731万円

589万円

50代

784万円

677万円

60代

626万円

598万円

※出典:令和6年賃金構造基本統計調査の「職種別第7表」

上記の表から、薬剤師という職業が男女ともに、長く活躍できる環境であるとわかっていただけたのではないかと思います!



なお、厚生労働省が公表している産業別の離職率(令和5年度)を見ると、薬剤師を含む「医療、福祉」業界における離職率は、13.3%となっています。

ちなみになの花薬局の離職率は10%以下です。

詳しく知りたい方は、「薬剤師の離職率はどのくらい?長く働き続ける職場を選ぶポイントも」もぜひご覧ください。


薬剤師の就職先の選び方は?

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それでは、ここまで薬剤師という職業について紹介をしてきましたが、最後に肝心の就職活動時にどうすれば後悔のない就職先を選べるかについてお話しさせていただきます!

自己分析

まず、皆さん耳にタコができる程聞いているかと思いますが、「自己分析」は非常に重要です。
自己分析は大きく「自分を知る」ことと「会社選びの軸を知る」ことの2つが重要なので、それぞれ説明していきたいと思います。

①自分を知る

就職活動は自分自身のことを考える良い機会です。
皆さんは、自分自身について考えた経験はあるでしょうか?
自分が大切にしたいことや、5年後10年後にどうなっていたいかを考えたことはあるでしょうか?

恐らく多くの方がしっかり考えたことがないのではないかと思います。
せっかく働くのであれば、自分にとってやりがいがあり、自分が大切にしたいことを応援してくれる環境で働きたいですよね。
そういった会社を見つけるためには、まずは自分自身がどういった価値観を持っていて、何を大切にしたいかを見つめ直すことが必要です。

そのための方法として「過去を振り返る」ということをおすすめしています。
なぜなら「現在」の皆さんは過去の積み重ねでできているからです。
今まで歩んできた過去があり、現在があり、そして未来につながっているというイメージを持ってもらいたいのですが、過去を振り返ることで皆さんの現在の価値観やそのルーツが見えてきます。

過去を振り返るときのコツとしては、自分自身が何をしているときにモチベーションが上がったか(嬉しかったか)、何をしているときにモチベーションが下がったか(悲しかったか)をぜひ思い出してみてください。

例えば、部活で目標に向かって頑張っているときにモチベーションが上がった、受験勉強で成績が上がらずモチベーションが下がったなどです。

その経験から、今後どういった環境(会社)に身を置けば、モチベーション高く仕事をし続けられるかを知ることができます。
その上で、5年後、10年後に自分がどうなっていたいかを想像してみると、過去と現在の延長で考えることができるので、より明確になりますよ!

②会社選びの軸を知る

続いて、会社選びの軸を知るということに関してお話しします。
まず前提として、全ての方にとって100点満点の就職先はありません。
ですので、自分自身に合っているか、魅力を感じるかがとても重要です。


ただ、そうは言っても「どの会社も良く感じるな」「調剤薬局は全て同じに見えてきた」という悩みをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
そんなときに会社選びの軸を決めておけば選ぶ基準ができるので、就職先の選定に役立ちます。

では、肝心のどうやって決めるのかという点ですが、「給与」「雰囲気」「研修制度」など、会社を選ぶ際のポイントになる要素をピックアップして、そこから優先順位を付けるという作業を行います。
優先順位を付けないと、どれも目に入って悩んでしまうことになります。

給与はもちろん高いに越したことはないですが、優先順位を付けてみると実はそこまで上位に来ないということも。
例えば、給与よりも休暇や福利厚生を重視したいという方もいるかと思いますので、ぜひ優先順位付けを試してみてください。

キャリアプランを考えて決める

5年後、10年後にどうなっていたいかが明確になっている方は、そこから逆算して考える方法がおすすめです。
例えば、「10年後には認定資格を取得して専門性を向上させていたい」という方は認定資格の取得支援制度があることが重要な要素になるでしょう。
長期的な目標を持つことで、具体的な行動の計画を立てやすくなります。

キャリアプランの立て方については以下を参考にしてみてくださいね。
薬剤師のキャリアプランとは?プランの立て方やパターンをご紹介

業界研究

自己分析を進めても業界研究ができていないと満足のいく就職活動ができないので、ぜひ業界研究も進めたいですね!

とは言え、「業界研究ってどうやるの?」と、何からスタートして良いかわからない方も多いことでしょう。
ここからは、業界研究の方法をお伝えします。

①知名度や規模の大きさに関係なく多くの企業を見る

新卒の就職活動では、知名度の高い会社や規模の大きい会社に興味が向かってしまいがちです。
もちろん、先ほどの自己分析の優先順位付けで、会社の規模が大きいことや知名度が高いことが上位にくるという方であれば問題ないかと思いますが、恐らくそこまで重要ではないという方も多くいるはずです。

業界研究の段階では、視野を広げて見ることで情報の偏りを少なくすることができます。
大病院には大病院ならではのデメリットもありますし、大手調剤薬局よりも地域密着型で活躍している中規模薬局もあります。
規模の小さい会社の方がキャリアアップしやすかったり、給与が高い傾向もあります。

大手の薬局と中小薬局の違いについては、こちらも参考にご覧ください。
大手薬局と中小薬局の違いは?それぞれのメリット・デメリットをご紹介

会社規模毎のメリット・デメリットを把握して幅広い視野で捉えた上で、自分に合った企業を選んでみてください。

そのために、まずは合同企業説明会で病院、調剤薬局、ドラッグストアなど、たくさんの企業を見てみるとよいでしょう。
特に調剤薬局は中小規模の会社が非常に多いので、社名を聞いたことがないと思っても話を聞いてみることが重要です。
実は自分にとって魅力的に思える会社が隠れているかもしれませんよ!
たくさん見ることで自分に合う、自分が望んでいる企業が見つかるかもしれません。

②OB・OG訪問をする

就職活動の時期になると、大学内の就職セミナーで企業の人事担当者や卒業生に会う機会があるかと思います。
ぜひそのような機会に卒業生に話を聞いていただきたいのですが、多くの学生がいる場では質問も限られてしまうでしょう。
ですから、個別に先輩とお会いして、じっくりお話を伺うことをおすすめします。
OB・OG訪問を通して実体験や生の声を聞くことができ、その企業の本当の姿を知ることができます。
1年目、2年目の先輩であれば入社前とのギャップや新人研修等の話を聞けるでしょうし、4年目以上の先輩であれば管理薬剤師や薬局長にキャリアアップしている方もいるかもしれませんので、キャリアのイメージや認定資格を目指しているかを聞いてみてもいいと思います。

同じ大学の先輩であれば時間をつくってもらいやすいこともありますし、気になる企業の店舗見学などで卒業生がいる店舗に行って話を聞いてみたい!と人事担当者に調整をお願いするのも良いかもしれません。
人事担当者もそういった積極的な相談であれば、可能な限り相談に乗ってくれると思いますよ!


「自己分析」も「業界研究」も自分一人でやるには限界がありますので、インターンシップを利用してみたり、大学のキャリアセンターや企業の人事担当者に相談してみると、より具体的になっていくと思います!


なの花薬局のインターンシップでは、「自己分析」や「業界研究」のほかにも、なの花薬局を深く知ることができるコースや、実際に店舗を見学して、現場の雰囲気を体感できるコースも実施しています。
ぜひ、なの花薬局のインターンシップも活用してみてくださいね。


そもそも就職活動って何からやれば良いの?という方は以下のページもあわせてご覧くださいね。
薬学部が就活前にやることは?スケジュールや就活のコツなどを解説
薬学生のインターンシップはいつから?メリットや心構えも解説!


薬剤師の就職先はさまざま。選び方を押さえて後悔のない就職活動を!

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新卒での就職活動は基本的には生涯に一度だけですから、なんとなく会社を決めて入社後に「こんなはずじゃなかった」と思いたくはないですよね?
私自身も薬学生の皆さんと日々話をする中で、たくさんの悩みを抱えられているなと実感していますし、むしろこの機会にたくさん悩んでほしいなと思います。

もちろん、卒業研究や国家試験対策は非常に重要なことです。
ただ、大学生活は6年で終わりますが、社会人人生は30年、40年と続きます。
そのスタートラインである最初の会社選びはとても重要です。

これを読んでいただいた方には、5年後、10年後に自分のなりたい薬剤師像に少しでも近づいていってほしいなと思います。
そのために、今が踏ん張り時だと思って就職活動をしっかり頑張りましょう!(くれぐれも体調管理には気を付けましょうね!)

皆さんの就職活動がうまくいくように応援しています。

なの花薬局では、薬剤師を目指すみなさんをコラムで応援!
薬学生の就活に役立つ情報を「就職サポートコラム」にてたくさん発信中です。
少しでも皆さんの就職活動にお役立ていただければ嬉しいです!

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