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2022.07.25

薬剤師の知識

在宅医療における薬剤師の役割とは?求められるスキルや資格も確認

目次

こんにちは!なの花薬局の神森です。

近年、薬剤師の業務は薬局や病院の中に留まらず、その外にも広がっています。
在宅医療が注目され、その利用が推進されているためです。

在宅医療とは居宅等で行われる医療の総称であり、対象者は高齢者だけではなく、がんのターミナルケア、難病、障害者や障害児など、年齢、性別、疾病、傷害にかかわらず、医療サービスを必要としている人たちに生活に沿った長期医療を提供することです。
つまり、在宅医療とは「外来医療」「入院医療」に次ぐ第3の医療と位置づけられています。

医療関係者間の連携が必要とされる在宅医療では、薬剤師にも重要な役割が求められています。

では、在宅医療における薬剤師の役割とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。

今回は在宅医療の中での薬剤師の役割・仕事内容、薬剤師に求められるスキルや資格について詳しくご紹介します。


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在宅医療での薬剤師の役割とは?在宅医療についても確認

在宅医療において、薬剤師は医師を中心とした医療チームの一員です。
その中で薬剤師はどのような役割を果たすのか、在宅医療の定義とともに確認していきましょう。

在宅医療とは

在宅医療とは、病院ではなく「医療を受ける者の居宅等」で行われる医療提供形態です。
通院が困難な患者さまの居宅等を医師や医療関係者が訪れ、診察や看護などの医療行為を実施します。

在宅医療の具体例を見てみましょう。

  • 医師(かかりつけ医)の診療
  • 歯科医師の歯科診療
  • 看護師の訪問看護
  • 薬剤師の薬剤管理、服薬指導
  • 理学療法士のリハビリ
  • 管理栄養士の食事指導 など

また、在宅医療は「訪問診療」と「往診」の2種類に分けることができます。

  • 訪問診療・・・医師が計画的・定期的に患者さまの居宅等を訪問し、行う診療
  • 往診・・・突発的な患者さまの要請に応じ、医師がその居宅等を訪問し、行う診療

医療行為を居宅等で提供する在宅医療は、患者さまのニーズに基づいた質の高い医療を提供できること、病床削減に効果的であることから、国を挙げて推進されています。
このことから、薬の服用指導や管理を行う薬剤師に関しても、在宅医療でのニーズが高まっています。

在宅医療で薬剤師に求められる役割

在宅医療で薬剤師に求められるのは、「在宅医療を受ける患者さまに対し、最適・効果的・安全・安心な薬物療法を提供すること」です。

通常であれば薬剤師は薬局や病院で勤務しますが、在宅医療では医師同様に患者さまの居宅等を訪問し、薬剤の提供や服薬指導、薬剤の管理などを行います。

在宅医療では、医師や医療関係者がチームとして連携し医療に取り組みます。
薬剤師はその中の薬物療法の専門家として、患者さまの適切な服薬をサポートする重要な役割を果たしているのです。

在宅医療に限らない薬剤師全般の役割については、「薬剤師に求められる役割とは?活躍の場ごとの役割もチェック!」でご紹介しています。


在宅医療での具体的な薬剤師の役割・仕事内容とは

公益社団法人日本薬剤師会は、在宅医療における薬剤師の主な役割として、次の項目を挙げています。

  • 患家への医薬品・衛生材料の供給
  • 患者の状態に応じた調剤(一包化、簡易懸濁法、無菌製剤等)
  • 薬剤服用歴管理(薬の飲み合わせの等の確認)
  • 服薬指導・支援
  • 服薬状況と副作用等のモニタリング
  • 残薬の管理
  • 医療用麻薬の管理(廃棄含む)
  • 在宅担当医への処方提案等
  • ケアマネジャー等の医療福祉関係者との連携・情報共有
    (引用:公益社団法人日本薬剤師会 資料「在宅医療における薬剤師の役割」より)

これをもとに、在宅医療における薬剤師の主な仕事内容を具体的にご紹介します。

患者さまへの医薬品・衛生材料の提供

在宅医療における薬剤師のメインとなる仕事の1つが、患者さまへの医薬品・衛生材料の提供です。
在宅医療を利用している患者さまは、医薬品を薬局や病院に取りに行くことも困難であると予想されます。

そのため、薬剤師が直接患者さまの自宅や入居先を訪問し、医薬品や在宅医療で使用する衛生材料を届ける必要があるのです。

服薬指導・管理

ただ医薬品を提供するだけでなく、患者さまに服薬指導や服薬管理を実施するのも、在宅医療における薬剤師の重要な仕事です。

薬剤師は、在宅医療を受ける患者さまに適切な医薬品の服用方法を指導するとともに、適切に医薬品を管理するための対応を行います。

例えば、医薬品を患者さまが飲みやすい状態にしたり(粉状にする、一袋にまとめる等)、別の病院から出されている医薬品との飲み合わせや重複を確認したり、複数ある医薬品を忘れずに服用できるよう服薬カレンダーにセッティングしたりといったことにも対応します。

このように、医薬品の服用状況を確認し管理する薬剤師の働きは、在宅医療での服薬によるトラブルを予防するために欠かせません。

医師や医療福祉関係者との情報共有

在宅医療では医師や医療福祉関係者が連携し、速やかに適切な対応を行うことが重要です。
薬剤師もそのチームの1人であり、情報を医師や他の医療福祉関係者と共有する必要があります。

例えば、服薬に関して患者さまに副作用が見られた場合や併用薬との重複投薬や相互作用が確認された場合は、そのことを担当の医師に報告して医薬品の変更を提案する必要がありますし、服薬に関する注意点は、患者さま本人だけでなく介護担当者にも伝えておかなければなりません。

また、場合によっては在宅で療養する患者さまの相談に乗り、その内容をチームで共有する必要もあるでしょう。

在宅医療に携わる医師および医療福祉関係者が緊密な連携を取るための情報共有も、在宅医療における薬剤師の仕事に含まれます。


在宅医療において薬剤師に求められるスキルや資格とは?

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ここからは、在宅医療において薬剤師に求められるスキルや資格についてご紹介します。

在宅医療で薬剤師に求められるスキル

在宅医療では、薬剤師としての知識やスキルは基本ですが、そのほかにも求められるスキルがあります。

  • コミュニケーション能力
  • 提案力
  • 几帳面さ

在宅医療に携わる薬剤師には、特に高いコミュニケーション能力も求められます。
在宅医療では患者さまやそのご家族とより深く関わるため、コミュニケーションを通して患者さまの状態やそのニーズを汲み、医療に反映させることが必要になるからです。

また、性格・家庭環境・嚥下状態など多くの要素を加味したうえでの服薬提案や、より良い方法で薬物療法を進めるために患者さまや医師へ提案を行うなど、「提案力」も求められます。

安全な服薬のための管理を行う几帳面さも、在宅医療の薬剤師に必要なスキルです。

在宅医療に関わる薬剤師の資格

在宅医療に関わる薬剤師には、必須となる通常の薬剤師資格に加え、「在宅療養支援認定薬剤師」資格の取得が推奨されます。

この資格は一般社団法人日本在宅薬学会による資格制度であり、在宅医療における薬物療法の対応に特化した内容になっていて、知識・技能・態度の3点から必要なスキルを身につけることができるものです。

また、薬物療法での緩和ケアに関する知識を得られる「緩和薬物療法認定薬剤師」の資格も、在宅での緩和ケアにおいて適切な薬物療法が行えるよう指導するために、重要な資格といえます。

在宅医療の薬剤師業務には、薬局や病院での業務とは異なる部分も多くあります。
資格の取得を通して、在宅医療における薬物療法のスキルを向上させることができれば、在宅医療の場でも薬剤師としてより適切な対応を行えるでしょう。

「在宅療養支援認定薬剤師」「緩和薬物療法認定薬剤師」の他にも、薬剤師が取得できる資格はたくさんあります。
薬剤師の資格については「薬剤師の資格にはどんな種類がある?資格取得のメリットもご紹介!」でも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。


在宅医療と薬剤師。現状と今後の動向

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高齢化が急速に進む日本では「自宅で療養したい」と希望する高齢者が増えています。

在宅医療はこのニーズに対応する医療の形。
厚生労働省も目指す将来像として、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の実現を提案し、そのシステムの一部として在宅医療・介護の実施を推進しています。

しかし、現状の在宅医療は医療関係者間の連携や体制の面で完璧ではなく、多くの課題を抱えています。
それは、薬剤師も例外ではありません。

在宅医療に関わる薬剤師に関しては、次のような課題があります。

  • 在宅医療に対応できる薬局・薬剤師の不足
  • 在宅医療の応需可能な薬局の情報不足
  • 薬剤師による訪問薬物療法が医療福祉関係者へ周知・理解されていない

つまり、在宅医療における薬剤師の薬物療法は、まだまだ発展途上。
それを広く実施するための人材確保や環境整備、教育にまで手を回せていないという状況が近年の課題として挙げられています。

とはいえ、2025年には国民の4人に1人が75歳以上の後期高齢者になるといわれる日本で、患者さまのニーズに沿って質の高い医療・介護を提供していくためには、薬剤師を一員とした在宅医療が必要です。

そのためには、薬剤師による在宅医療のための環境整備と人材育成、求人募集、医療に関する他職種との連携体制の構築が必須でしょう。
この連携体制については、現在整備が進められています。

また、厚生労働省の目指す「地域包括ケアシステム」の中では、かかりつけ薬剤師の存在も重要だとされています。
かかりつけ薬剤師は、豊富な経験と知識を持って、患者さまの担当として業務を行い、24時間在宅医療にも対応する薬剤師のことです。

在宅医療やかかりつけ薬剤師の点から、今後の社会において、薬剤師はより重要な役割を担っていくと考えられます。

かかりつけ薬剤師については、「かかりつけ薬剤師になるための要件や条件をチェック!メリットもご紹介」で詳しくご紹介しています。


なの花薬局では、在宅医療の推進をサポートすべく、地域薬局として薬剤師の在宅訪問およびかかりつけ薬剤師の推進を実施しています。

在宅訪問の環境整備や人材育成にも力を入れる、なの花薬局の取り組みについては下記のページでご紹介しています。
なの花薬局の取り組み 「薬だけじゃない薬局を目指して。」


在宅医療における薬剤師の役割は薬物療法のサポートと情報共有

在宅医療における薬剤師の役割は、在宅医療を利用する患者さまの薬物療法をサポートし、他医療関係者と緊密に連携して、1人ひとりに適切な医療を提供することです。

具体的には、患者さまの居宅等を訪問して、医薬品を提供したり服薬の指導・管理を行ったりすることが、メインの仕事です。

訪問によって得た情報は、在宅医療に関わるチームで共有し、包括的な医療提供を目指します。

高齢化と「住み慣れた場所で療養したい」という人々のニーズを受け、在宅医療の必要性は高まりを見せています。
これを受け、薬剤師にも、在宅医療への対応がより強く求められています。

これから薬剤師として就職する方は、在宅医療についての知識を増やし、資格取得も検討しておけると良いですね。


なの花薬局が運営する「就活サポートコラム」では、薬学生の就活に役立つ情報を随時発信しています。
薬剤師を目指すみなさん、ぜひこちらのコラムもヒントとしてお役立てくださいね!

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