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2022.08.30

薬剤師の知識

服薬期間中フォローのやり方は?薬剤師に求められる内容や流れも確認

目次

こんにちは!なの花薬局の神森です。

「服薬期間中フォロー」は、薬剤師の担う重要な仕事の1つ。
これにより、患者さまはより安全で納得した服薬をすることができます。

効果的な服薬期間中フォローを行うためには、患者さまごとにフォローの必要性を判断し、フォローの方法も1人ひとりに合わせて検討しなければなりません。

では、服薬期間中フォローは具体的にどのように進めていけば良いのでしょうか。
そこで今回は服薬期間中フォローについて、その概要ややり方を詳しくご説明します!

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「服薬期間中フォロー」とは?

そもそも「服薬期間中フォロー」とは何なのでしょうか。

まずは、その基本を確認していきましょう。

服薬期間中フォローとは

薬剤師による服薬期間中フォローは「服薬フォローアップ」とも呼ばれます。

「薬の調剤・処方時だけでなく、必要な場合は服薬期間中にも、薬剤師が患者さまの服薬に関する状況把握や服薬指導を行うこと」を指します。

これは、1人ひとりの患者さまへの最適な薬物療法のために行われるもので、2019年12月の薬機法改正によって薬局に義務付けられました。

服薬期間中フォローでは、患者さまの薬局来局時だけでなく、訪問や電話、ファックス、SNSなどを用いた継続的なヒアリングを通し、服薬における次のような情報を把握します。

  • 薬剤の使用状況
  • 併用薬の有無や種類
  • 患者さまの状態
  • 生活環境 

これらの情報をもとに最適な服薬指導を行うことで、「薬物療法の質・安全性の向上」「薬物療法の個別最適化」を目指すのが、服薬期間中フォローの目的です。

ただし、服薬期間中フォローは「必要があると認める場合」のみに実施するものであり、実施すべきケースや、そのやり方は患者さまごとに異なります。

「個々の患者の特性」「罹患している疾病の特性」「当該使用薬剤の特性」という3つの特性を踏まえた総合的な判断が、現場の薬剤師には求められます。


服薬期間中フォローのやり方とは?実践の流れをチェック!

まず、服薬期間中フォローは次の基本サイクルに応じて実施します。

①初回来局時:次回来局までのフォローを検討
②薬剤交付から次回来局まで:フォローの実施、情報の確認・分析・評価・対応
③次回来局時:フォローの結果をもとに、次回来局までのフォローを検討(②③を繰り返す)

服薬期間中フォローでは、この3つのステップ(初回来局以降は2つのステップ)を1つのサイクルと考えます。

フォローの中で得た情報を分析・評価し、それをもとにその後の服薬指導を改善していくというサイクルを回していくことで、継続的な薬物療法の安全性向上を目指します。

ただし患者さまの次回来局までのフォロー実施については、多様な要素を踏まえ、薬学的知見に基づいて判断しなければなりません。

検討ポイントも含め、服薬期間中フォロー実践の流れをご説明します。

①フォローの検討

日本薬剤師会による「薬剤使用期間中の患者フォローアップの手引き」では、フォローの検討において、次のような要素を確認すべきとしています。

  • 使用薬(ハイリスク薬の有無等)
  • 併用する薬はあるか(要指導医薬品、一般用医薬品、医薬部外品等含む)
  • よく摂取する食品・嗜好品はあるか(健康食品、酒・タバコ等)
  • アレルギー歴や副作用歴はあるか
  • 疾患はあるか
  • 臨床検査値(腎機能、肝機能等)
  • 薬剤の使用・残薬状況
  • 薬剤使用中に体調の変化はあるか
  • 年齢・性別・身長・体重
  • 妊娠・授乳状況(女性)
  • 職業・生活の特性
  • 患者さまの特性(認識力や生活機能等) 等

日本薬剤師会「薬剤使用期間中の患者フォローアップの手引き」より)

薬の飲み忘れなど服薬アドヒアランス(※)の維持に懸念がある場合や、飲酒喫煙等、生活習慣に懸念がある場合、副作用の可能性がある場合には、特に注意してフォローの実施およびその内容を決定する必要があります。

また、服薬期間中フォローには患者さまの同意が必ずしも必要なわけではありません。
しかし、実質的に患者さまの協力なしにはフォローを行うことは不可能です。
そのため、薬剤師は患者さまに服薬期間中フォローを申し出る際、その意義と内容を丁寧に説明し、理解を得る努力をする必要があります。

※アドヒアランス...患者さま自身が治療方針の決定に積極的に関わり、その決定にもとづいた治療を受けること

②患者さまへのフォローの確認

患者さまへの服薬期間中フォローの確認方法としては、次のようなものが挙げられます。

  • 来局
  • 訪問
  • 電話
  • ファックス
  • SNS
  • 電子お薬手帳


最適な確認のタイミングは、患者さまによって異なります。
そのため、「A薬を使用している患者さまには1週間ごとにメールを送る」といった属性ごとの規則的なルールは、服薬期間中フォローには適しません。

薬剤師は、先ほど挙げた確認すべき要素やリスクを踏まえ、患者さまごとに適したタイミングで、確認を実施する必要があります。

例えば、ヒアリングすべきことが多岐に渡る場合には来局・訪問・電話が適していますし、アドヒアランス維持のため継続的に服薬確認を行う場合には、メールやSNSなどの活用が便利でしょう。

患者さまへの確認事項 

日本薬剤師会「薬剤使用期間中の患者フォローアップの手引き」では、服薬期間中フォローで患者さまに確認すべき項目例として、次のような事項を挙げています。

  • 薬剤等の使用状況(残薬の状況を含む)
  • 使用中の薬剤の効果
  • 薬剤使用中の体調の変化
  • 患者基本情報の変化
  • 併用薬や食品・嗜好品との相互作用による影響
  • 生活機能への影響
  • 生活の特性の変化
  • 使用中の薬剤に対する意識(先入観、不安感等)

日本薬剤師会「薬剤使用期間中の患者フォローアップの手引き」より)

確認の際は「調子はいかがですか?」というような曖昧な確認の仕方は避けましょう。

「疼くような痛みはありますか?」「熱は何度ですか?」というような的確な質問を投げかけ、患者さまから明確な返答をもらうことが大切です。 

また、患者さまへの確認事項は薬機法第15条の14の2でも示されていますので、こちらも確認しておきましょう。

③分析・評価・対応・記録

ヒアリングを経て患者さまから得た情報は、適切に分析・評価を行います。

この時、ピンポイントの情報で評価するのではなく、総合的に判断することが大切です。
分析・評価の結果、患者さまへの情報提供だけでなく、薬学的管理指導や受診勧奨、処方提案、医師・医療機関への情報提供、残薬調整などの対応を行います。

副作用や継続使用に問題が生じている場合には、必要に応じて処方医と連携しながら解決へと進めます。

このような服薬期間中フォローの情報については、薬歴の記載(調剤録に記載していない場合)を失念しないよう気をつけましょう。

また、服薬期間中フォローの記録作成は、薬剤師法によって義務付けられています。
項目は患者さまの氏名や薬品名、指導の内容など多岐に渡りますが、後から誰が見ても情報を即座に把握できるよう、要点のわかりやすい簡潔な文章にまとめることが大切です。


なの花薬局の服薬期間中フォローをご紹介!

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なの花薬局でも、患者さまへの服薬期間中フォローに力を入れています。

服薬期間中フォローが必要と判断した患者さまには、薬剤師が調剤後も状況確認や服薬指導を行っています。

フォローは電話やオンライン通話で行うため、医薬品を使用中の患者さまは、わざわざ薬局に行って指導を受ける必要がありません。

また、必要に応じて薬剤師の在宅訪問や夜間電話サービスも実施。
LINEを活用して、処方せんの送信やお薬履歴の確認、健康相談等が行えるサービスも提供しています。
※なの花薬局では、LINE公式アカウント「つながる薬局」サービス を導入しています。

なの花薬局は、多様な手段によるフォローで、かかりつけ薬局として患者さまの健康をサポートしています。
詳しくは「なの花薬局 薬局のサービス」もご確認ください。


服薬期間中フォローの最適なやり方は患者さまごとに違う

服薬期間中フォローとは、患者さまの服薬期間において、薬剤師が状況把握や服薬指導を継続的に行うことを指します。

薬剤師は調剤時だけでなく、患者さまの初回来局時から次回来局時までの期間も、電話やSNSを用いて服薬のフォローを行います。

服薬期間中フォローは「確認事項をどのように確認するか」や「わかりやすく伝え明確な答えを得ること」、「情報を分析・評価し、その結果をもとに対応していくこと」が重要です。

最適な方法は患者さまによって異なるため、あらゆる要素を踏まえ、慎重に判断するようにしましょう。

なの花薬局では、服薬期間中フォローをはじめ、自宅訪問やLINEの健康相談サービス、Webサイトでの情報発信等、患者さまの健康をサポートするためのさまざまなサービスを実施しています。

薬剤師の就活に関する情報も随時発信しておりますので、薬剤師を目指す方はなの花薬局の就活情報サイトもぜひお役立てください。

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