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2022.09.28

薬剤師の知識

オンライン服薬指導とは?メリットや現在の法制度、課題も知ろう

目次

こんにちは!なの花薬局の神森です。

薬剤師は、薬の受け渡し時に、患者さまに対して薬の飲み方や注意点を説明します。
これは服薬指導というもので、薬剤師の担う重要な業務のひとつです。

服薬指導は、これまで薬局や病院、ドラッグストアなどの現場や訪問で行われてきました。
しかし法令改正により、2020年からはオンラインでの服薬指導が認められています。

オンライン服薬指導には、オンラインならではのメリットや課題があり、それは薬剤師の仕事に大きく影響します。

そこで今回は、オンライン服薬指導について詳しく解説します!

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オンライン服薬指導とは?

今までは服薬指導は対面に限られており、オンライン診療においても直接指導を受ける必要があり、医療資源の乏しい地域や外出が困難な患者さまには負担がありました。

オンライン服薬指導は、そんな患者さまだけでなく薬剤師の負担軽減にもつなげるべく、2019年の薬機法改正を受けて2020年9月に開始された制度です。

どのような内容なのか、さらに詳しく見ていきましょう。

オンライン服薬指導とは

オンライン服薬指導とは、情報通信機器を用いてオンラインで行う服薬指導のことです。

薬剤師は患者さまとパソコンやスマートフォンを通して繋がり、状態を把握した上で、処方する薬剤の飲み方や注意点といった情報提供を行います。

このオンライン服薬指導では、映像と音声による対応が必要です。
しかし、新型コロナウイルスに関する服薬指導については、特例として電話などの音声だけでの服薬指導(0410対応)が認められています。

オンライン服薬指導に必要なもの

患者さまがオンライン服薬指導を受ける際に必要なものは、次の3つです。

  • ビデオ通話ができる情報通信機器(パソコンやスマートフォン、タブレットなど)
  • 保険証
  • お薬手帳(電子版推奨)


患者さまと薬剤師は、パソコンやスマートフォンのビデオ通話にて、オンラインで対面しながら会話を行います。

オンライン診療や服薬指導を受けるにあたっては、電子版のお薬手帳の利用が推進されています。
これを利用することにより、患者さまと薬剤師、医師との間で、効率的で正確な情報共有が可能になります。

また、オンライン服薬指導を受ける場合には、薬剤の支払いにクレジットカードが必要となるケースもあります。

オンライン服薬指導の流れ

オンライン服薬指導は以下のような流れで実施されます。

  1. 1. 患者さまが対面やオンラインで医療機関の診療を受ける
  2. 2. 医療機関が薬局に処方箋を送付する
  3. 3. 薬局の薬剤師が患者さまにオンライン服薬指導を行う
  4. 4. 薬剤師が調剤した薬剤が患者さまの元へ配送される
  5. 5. 患者さまが薬剤を受け取る


このように、オンライン服薬指導やオンライン診療が認められた現在、患者さまは自宅から出ることなく、診療を受けて薬を手にすることが可能になっています。

流れの②にある通り、基本は医療機関が薬局に処方箋を送付する流れになりますが、FAX処方でも備考欄に「オンライン服薬指導希望」と記載があれば、オンライン服薬指導の実施は可能です。
その場合、医療機関から処方箋原本をあとから薬局に送付してもらう形になります。

また、患者さまご自身で処方箋を薬局に持ち込み、時間のあるときにオンライン服薬指導を希望される、というケースもあります。

なの花薬局では、より利便性を高めるため、LINEでのオンライン服薬指導を実施しています。
LINEから日時を予約していただき、その日時に薬剤師とのビデオ通話を行い、薬剤は自宅までお届けします。

なの花薬局は体調が優れない方はもちろん、仕事や家事、育児、介護などで忙しい方、待ち時間を取られたくない方に便利なサービスを行なっており、地域の皆さまの健康に寄り添っています。


オンライン服薬指導のメリット

オンライン服薬指導は、患者さまと薬剤師の双方にメリットがある制度です。
ここでは、代表的な3つのメリットをご紹介します。

メリット① 患者さまの体力的・時間的負担の軽減

オンライン服薬指導を利用すれば、患者さまは体調の優れない中、薬局まで足を運ぶ必要がありません。
移動時間や待ち時間もなく、自宅にいるだけで必要な薬剤を受け取ることができます。

メリット② 薬剤師の負担軽減

近年、在宅医療が重要視され、薬剤師も患者さまの自宅に訪問を行うようになりました。
しかし、毎回各患者さまの自宅へ訪問を行っていると、薬剤師の負担は大きくなり、業務も滞ってしまいます。

訪問だけでなくオンラインでの服薬指導も実施することで、薬剤師の負担が軽減でき、業務の効率化にも繋がります。

メリット③ 外出による感染リスクの軽減

新型コロナウイルスの蔓延以降、外出による感染症への感染リスクに気を配る方は増えました。
「人が集まる場所は避けたい」という方も多いでしょう。

オンライン服薬指導は、このようなニーズに対応できる制度です。
感染リスクを避けながら医療を受けられる点は、患者さまにとっても、医療現場・薬局においても大きな安心感に繋がるでしょう。


オンライン服薬指導の法制度もチェック

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オンライン服薬指導は、もともと2019年改正の薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)にもとづいた制度でした。

しかし制度の実施・運用を受け、薬機法は2022年にも改正され、オンライン服薬指導はより実務に即した内容へと変化しています。


薬機法改正により初回利用が可能に

オンライン服薬指導は、2020年9月の開始直後は「初回は利用不可」「オンライン・訪問診療時の処方箋のみ対応」「これまで処方されていた薬剤のみの対応」「処方箋原本がなければ調剤不可」など、当時の薬機法に基づいた厳しい制約がありました。

しかし、制度運用やパブリックコメントを通してルールの見直しの必要性が高まり、2022年3月にその内容の一部が改正され、現在では下記のような柔軟な対応ができるようになっています。

  • 初回の患者さまでも、薬剤師の判断で利用できる
  • どの診療の処方箋でも利用できる
  • 原則、全ての薬剤について利用できる
  • 医療機関からのFAXなどによる処方箋で調剤できる
    ※備考欄に「オンライン服薬指導希望」と記載がある場合


この改正により、より多くの患者さまがオンライン服薬指導を利用できるようになりました。

薬機法ルールと0410対応のルール

日本では、2020年の新型コロナウイルスの蔓延を受け、0410対応と呼ばれるオンライン診療や服薬指導に関する臨時的な対応が認められました。

この臨時対応は現在も続いており、現状では通常の薬機法ルールと0410ルールの両方が存在することになります。

薬機法ルールと0410対応のルールのオンライン服薬指導にはいくつか違いがあるので、その主なポイントを比較してみます。

◆薬機法ルール(改正後)

  • 通信方法:映像と音声
  • 薬剤師:かかりつけ薬剤師・薬局が望ましい
  • 服薬指導計画:服薬指導計画の作成は不要だが、服薬に関する必要最低限の情報は明らかにしておく必要がある

◆0410対応のルール

  • 通信方法:電話(音声)のみでも可
  • 薬剤師:かかりつけ薬剤師・薬局、居住地にある薬局が望ましい
  • 服薬指導計画:規定なし

(参考:厚生労働省「オンライン服薬指導について」より)

現行の薬機法よりもやや柔軟性の高い0410対応は、コロナ収束まで継続される予定です。


オンライン服薬指導が抱える課題を知ろう

オンライン服薬指導は、多くのメリットが期待できる制度です。

しかし、一方で注意しておきたい課題があるのも事実。
オンライン服薬指導に懸念される次の2つの課題について、薬剤師はよく把握し、それを解決するための方法を模索しなければなりません。

課題① 状態把握の正確性が下がる可能性

オンライン服薬指導では、患者さまと薬剤師が画面越しに対面で会話します。
画面越しでの対面は、直接対面に比べて状態把握がしにくいのがデメリット。

患者さまの顔色や声、体の症状、精神状況などが確認しにくく、状態把握の正確性が下がってしまう可能性があります。

このことから、オンラインだけに頼らず対面での服薬指導や服薬期間中フォローも実施するなど、場合によってはより状態把握の正確性を高めるための施策を検討しなければならないでしょう。

服薬期間中フォローについては、こちらのコラムで詳しく解説しておりますので、あわせて参考にしてみてください。
服薬期間中フォローのやり方は?薬剤師に求められる内容や流れも確認

課題② 環境や知識によって実施できない場合も

患者さま側にインターネット環境が整備されていない場合、オンライン服薬指導は実施できません。

また、インターネット環境があったとしても、患者さまの情報通信機器に関する知識が乏しく、オンライン服薬指導がうまく進まないケースも見受けられます。
オンライン服薬指導は誰にでも実施できるわけではないということも、覚えておきましょう。


オンライン服薬指導とは自宅で受けられる薬剤師からの情報提供

オンライン服薬指導は、パソコンやスマートフォンのテレビ電話を通して、薬剤師が患者さまの状態を把握したり処方する薬の飲み方を指導する制度です。

これを利用すれば、患者さまは自宅にいながら必要な薬を手にすることができます。

オンライン服薬指導には、患者さまや薬剤師の負担を軽減し、感染症への感染リスクも軽減できるというメリットがあります。

しかし、直接対面する場合よりも患者さまの状態を正確に把握することが難しく、中にはオンライン服薬指導を受けられない人もいるという課題も。

薬剤師はオンライン服薬指導の実施について、患者さまごとに慎重に検討する必要があります。

なの花薬局では、薬剤師の就活に役立つ情報を随時発信しています。
薬剤師を目指す方や薬剤師の働き方について疑問がある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!

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