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2023.05.10

薬剤師の知識

電子処方箋とは?薬局が導入するメリットや必要な準備もご紹介

目次

こんにちは!なの花薬局の神森です。

2023年1月より、新しい処方箋発行・管理の仕組みである電子処方箋の運用が始まりました。
電子処方箋を活用することで情報管理や共有が容易になり、調剤事務にかかる負担の軽減やより良い医療サービスの提供が可能になります。

今回のコラムでは電子処方箋の概要や仕組みを解説するとともに、電子処方箋の導入による薬局や患者さまのメリットをご紹介します。
新たな仕組みである電子処方箋について、一緒に理解を深めましょう。

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電子処方箋とは?仕組みをご紹介

電子処方箋とは、今まで紙で発行・管理していた「処方箋」について、紙ではなくデジタルデータで運用する仕組みです。
2023年1月26日より準備の整った医療機関や薬局で運用が開始され、患者さまの同意を得て活用されています。

クラウド上に構築される「電子処方箋管理サービス」を介して医療機関での処方情報、薬局での調剤情報などを連携・管理し、それにより医療現場での情報共有や処方・調剤事務の効率化を行い、誤薬防止などにも役立ちます。

処方から調剤までの流れ

電子処方箋による処方から調剤までの流れを簡単にご紹介します。

【1】医療機関にて電子処方箋の発行

過去の処方・調剤データを参考にしながら処方内容を決定し、電子処方箋として電子処方箋管理サービスへ登録します。
電子処方箋管理サービスから引換番号が交付されるので、引換番号を患者さまへ通知します。

【2】薬局にて処方箋受付、調剤、服薬指導

薬局は、引換番号と健康保険証(またはマイナンバーカード)の提示を受け、電子処方箋管理サービスから電子処方箋の内容を確認して調剤を行い、調剤内容を登録します。

過去の処方・調剤情報や重複投薬、併用禁忌の確認、医師への処方内容の問い合わせ(疑義照会)の記録なども、電子処方箋管理サービスにて行うことができます。

【3】処方・調剤記録の保管、管理

処方内容や調剤内容は電子的に記録、管理されます。
患者さまは、マイナポータルや電子版お薬手帳アプリなどから処方・調剤情報を閲覧できます。


電子処方箋を薬局が導入するメリットは?患者さまのメリットも確認!

薬局が電子処方箋を導入するメリットは、複数の医療機関での情報共有の容易化と調剤事務の効率化です。

電子処方箋管理サービスを通して過去の処方・調剤情報や併用禁忌などの確認もスムーズに行えます。
さらに、処方箋受け入れ時の入力業務などの軽減、紙の処方箋のファイリング業務や保管スペースの削減ができ、業務効率化につながります。

このような業務効率化は、服薬期間中フォローに力を入れたり、患者さまの健康や病気の相談に応じたりと、薬剤師が患者さまに向き合える時間をより多く確保することにもつながります。
地域の健康維持・増進を支援する「かかりつけ薬局」「かかりつけ薬剤師」としての役割も果たしやすくなるでしょう。

また、電子処方箋は患者さまにとっても、より質の高い医療提供を受けられるというメリットがあります。

処方・調剤情報が全国の医療機関や薬局で共有されることにより、薬の重複投与や良くない組み合わせに気付きやすくなり、事故や災害などの緊急時にも医療者が常用薬の把握をしやすくなります。

また、紙の処方箋をなくすリスクがなくなり、電子処方箋を薬局に事前送付することで待たずに調剤を受けられます。

電子処方箋の利用時にマイナンバーカードを健康保険証として使うことで、加入する保険組合が変わっても保険証代わりにずっと使える、マイナポータルで情報が閲覧できるといったメリットも加わります。
※マイナンバーカードを健康保険証として利用するには、事前に健康保険証利用の申し込みが必要です。


薬局が電子処方箋を導入するために必要な準備とは?

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薬局が電子処方箋を導入するためには、マイナンバーカードのICチップまたは健康保険証の記号番号などをもとにオンライン上で保険証の資格確認ができるオンライン資格確認等システムの導入と、薬剤師資格の電子署名(HPKIカード)の発行が必要です。

また、ICカードを読み取るためのカードリーダーや専用ソフトウエア、電子処方箋管理ソフトウエアの導入、セキュリティ対策なども必要となります。

電子処方箋の準備にはさまざまな設備やシステムを導入しなくてはいけませんが、その際に活用できる補助金事業も実施されています。
ICカードリーダーなど設備の導入やシステムの改修、職員への指導などに対して補助金が申請できますので、活用を検討してみましょう。

なお、なの花薬局ではオンライン資格確認システムの導入が完了しています。
マイナンバーカード持参と患者さまの同意により、過去の処方情報や特定健診等の情報を薬剤師が確認して服薬指導を行えるため、より安全な服薬をすすめられます。


電子処方箋の今後の課題は?今後の予想もご紹介

電子処方箋の導入には、薬局ではオンライン資格確認等システムの導入、患者さまにはマイナンバーカードの普及が前提となり、両者の普及が課題です。

なお、オンライン資格確認等システムの導入は2023年4月に義務化され、マイナンバーカードの申請率は2023年4月2日時点で約76.4%となり、今後も普及が進んでいくことが考えられます。

さらに、電子処方箋という新しい仕組みの運用に伴い、患者さまに内容や利用方法の理解を深めてもらう必要があるでしょう。
そのためには、薬局でも仕組みや内容、利用方法をしっかり理解し、患者さまからの問い合わせ内容を共有していくなどの工夫が必要です。

また、電子処方箋が広まれば、患者さまの利便性が高まり、薬局の選択の幅が広まるのではないかとも考えられます。
あわせてオンライン服薬指導のニーズ拡大も考えられ、薬剤師の業務効率化や負担軽減、患者さまの利便性向上により一層つながるのではないでしょうか。

オンライン服薬指導については「オンライン服薬指導とは?メリットや現在の法制度、課題も知ろう」にて詳しくご紹介していますのでぜひご覧ください。


薬局の電子処方箋とは処方箋をデジタルデータで運用する仕組み

電子処方箋とは、今まで紙で発行・管理していた処方箋について、デジタルデータで運用する仕組みです。
電子処方箋管理サービスを介して過去の複数の医療機関での処方・調剤データを記録・管理・確認でき、それにより情報伝達や情報共有が容易になり、処方・調剤事務の負担軽減や誤薬防止などに役立ちます。

電子処方箋による薬剤師の業務効率化は、薬剤師が患者さまと向き合う時間を増やし、「かかりつけ薬局」「かかりつけ薬剤師」としての機能を充実させることにもつながります。

薬局ではスムーズな調剤実施や調剤事務の軽減、患者さまにとっても質の高い医療サービスを受けられるというメリットがあります。

電子処方箋を導入するには、オンライン資格管理等システムをはじめ、運用のためのソフトウエアや設備の導入が必須です。
より良い活用のためには患者さまがマイナンバーカードを発行・連携する必要もあり、両者のさらなる普及が、電子処方箋導入のための課題の一つでもあります。


なの花薬局では、薬剤師の就活に役立つ情報を随時発信しています。
薬剤師を目指す方や薬剤師の働き方について疑問がある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!

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